室内の体感は、空間のサイズに加え、素材と断熱材で決まります。
私たちは、数多くの建物を建築してきた実績から、
それぞれの素材や仕様の特色を理解し、それをお伝えして
一人でも多くの方に〝パッシブな家づくり〟を採用していただく
ようにコンサルティングしています。
大切なのは、自分たちでその特色とメリット＆デメリットを把握し、
納得した上で〝我が家の基本仕様〟を決めることです。
この段階で、決して〝借り物のセンス〟を押し付けられてはいけません。
素材や仕様の氏素性を理解して、それを家族で共有し、
後々まで『我が家の考え方』という物語を語り継いでください。
私たちがご提案したいのは、可能な限り〝自然の環境〟で
室内空間を包み込むこと。そうすることで、人間の五感が
自然に育まれていくと考えています。
無垢の床材
素足の裏側は敏感です。
熱い、冷たい、柔らかい、硬い、ツルツルしてる、
しっとりしてる、温かい、生きてる！
無垢の板は、それが硬めの広葉樹であれ、柔らかな針葉樹であれ、
足裏で踏んだだけで〝ナチュラル〟を実感するような気がします。
できればそこに石油由来のプリント物は使いたくありません。
特に成長期の子どもたちには、本物の自然の感触を
日々実感してもらいながら育って欲しいと思います。
無垢の床材は、湿気や温度などの四季の微妙な変化を足裏に
伝えてくれて、それだけで自然の感性が育まれていきます。
写真の床材はオリジナル製材しているブラックシダー。杉の黒い
芯材だけを集めてつくっています。
リユースの壁材
壁材でオススメなのが、珪藻土や漆喰です。
建築予算が厳しい時にも、素材だけを工務店に準備してもらい
左官仕上げは自分たちで行うことでコストを抑える
方法をご提案しています。安易な選択で、クロスや構造用合板に
すると化学物質による匂いや刺激、透湿しないことによる結露などの
問題に繋がりかねません。
写真の壁材は卵の殻をリユースしたエッグペイントという素材。
この素材を販売している日本エムテクス社とは長年コラボしていて、
エッグウォールという卵殻をリユースしたクロスもつくっています。
このクロスは調湿性能や化学物質の吸着分解性能もあるので
安全な内装材として使うことができます。
リユースの断熱材
断熱材にもいろんな種類がありますが、私たちが推奨するのが
リサイクルペット樹脂から製造される環境対応型のパーフェクトバリア
か新聞古紙から製造されるセルロースファイバーです。
いずれも透湿性がある素材で、吸放湿性の高い内装壁材や木材と
組み合わせて〝呼吸する家〟をつくりたいと願った結果、
主にこの2つの断熱材を推奨しています。
家全体をビニールで覆って気密性を高めて室内の熱が外に漏れない
ようにする方法とは異なり、湿気を出入りさせ、
可能な限り〝自然な空気質の流れ〟を生み出すことができるよう
常に改善に努めています。2つとも内断熱ですから、これに木質系の
外断熱材をプラスしたW断熱という方法もご提案できます。
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